観音堂の十一面観世音菩薩は、船形山の崖面中段に、石龕(せきがん:石の厨子)をつくって像容を浮彫りにした磨崖仏(まがいぶつ)です。像を覆う観音堂が断崖の中段に飛び出すように建てられていることから、一般に「崖の観音」とよばれ親しまれています。
像高は131で、舟形の光背を背に二重蓮華座の上に立っています。
磨耗が激しいので表情はよくわかりませんが、頭上に菩薩面を刻み、左手に水瓶(すいびょう)を持つ様子や、着衣のひだなどが確認できます。
県内最古の磨崖仏といわれ、昭和45年に館山市の有形文化財に指定されています。
|